野花を使った現代的なアレンジメントの考え方
著者:中島 葉子 — 主宰、
タンポポ・菜の花・ハコベを、形式にとらわれずに活ける
生け花の形式を学ぶことと、野花を自由に活けることは、矛盾しません。むしろ、形式を知っているからこそ、どこを崩すかが分かります。春に手に入る野花を使った、現代的なアレンジメントの考え方を整理します。
野花の特徴:茎が細く、花が小さい
タンポポ、ハコベ、菜の花などの野花は、茎が細く花が小さいため、大きな器では存在感が薄れます。小さな器(小鉢、空き瓶、豆腐の容器など)との相性が良く、口が狭いほど少ない花材でまとまりが出ます。
野花は水揚げが早い反面、花持ちが短いものが多いです。切り口を水中で切る「水切り」を行い、活けた後は直射日光を避けた場所に置くことで、少し長持ちします。
構成の考え方:植物の自然な姿を活かす
野花を活けるとき、茎をまっすぐに切り揃えることは避けます。植物が自然に生えているときの角度や曲がりを活かすことが、野花のアレンジメントの基本です。
高さを揃えず、長い茎と短い茎を混在させることで、野原にそのまま咲いているような印象が生まれます。花材の数は少なめにして、余白を意識することが大切です。
器の選び方:既製品でも十分
野花のアレンジメントに、特別な器は必要ありません。空き瓶、小さな湯呑み、豆腐の容器など、日常にあるものが器になります。透明なガラス瓶は茎が見えるため、野花の細い茎の美しさを活かせます。
野花は季節の短い花材です。その短さを惜しむより、今この瞬間の姿を楽しむ気持ちで活けることが、春のアレンジメントの出発点だと思っています。