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秋の枝ものを生け花に使うための基本

著者:中島 葉子 — 主宰、
リンゴの花と花

紅葉した素材の水揚げから構成まで、アトリエで実践していること

10月から11月にかけて、花材として最も扱いが難しくなるのが紅葉した枝ものです。色が美しいだけに、その美しさを保ちながら活けることへの関心は高いのですが、適切な処理をしないと数日で葉が落ちてしまいます。アトリエで毎年この時期に実践していることを、順を追って整理します。

水揚げの手順:湯揚げと深水の組み合わせ

紅葉した枝は、緑の葉の状態と比べて維管束が詰まりやすく、水の吸収が不安定です。切り口を斜めに大きく切った後、切り口を数秒だけ熱湯に当てる「湯揚げ」を行います。これにより維管束が開き、その後の水の吸収が安定します。

湯揚げの後はすぐに深水に移します。バケツに水を多めに張り、枝の半分以上が水に浸かる状態で、涼しい場所に一晩置きます。翌朝、葉の状態を確認してから活けるかどうかを判断します。

器の選び方:口の狭さと重心

枝ものを活けるとき、器の口の広さは構成の安定に直結します。口が広い器は枝を自由に配置できますが、支えがないため枝が倒れやすくなります。剣山を使うか、枝同士を交差させて固定する方法が必要です。

口が狭い器は、枝の本数を絞ることで緊張感のある構成を作るのに向いています。一本の枝を主役にした縦型構成は、口の狭い陶器との相性が良く、秋の光の中で落ち着いた存在感を持ちます。

合わせる花材の選び方

紅葉した枝は色が主張するため、合わせる花材は白か淡いクリーム色に絞ることをお勧めします。白い小菊、スプレーマム、コスモスなどが秋の枝ものとよく合います。

実ものを合わせる場合は、枝の色と実の色が近すぎないよう注意します。赤い実(ナナカマド、ピラカンサ)には、白い花か淡い緑の葉ものを合わせると、色の対比が明確になります。

枝ものは活けた後も変化し続けます。葉が落ちた後の枝だけの状態も、それ自体として美しい構成になることがあります。その変化を記録しておくと、翌年の参考になります。

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